2017年6月3日~9日/愛媛・松山大会

第31回宇宙技術および科学の国際シンポジウム

2017年6月3日~9日/愛媛・松山大会

宇宙関連図書紹介 BOOKS

JAXA職員や宇宙の専門家がおすすめする図書を紹介します。

立花隆の「宇宙教室」~「正しく思考する」技術を磨く~

立花隆の「宇宙教室」

(日本実業出版社 2014年)

おすすめする人は

国立大学法人東京農工大学 准教授 岩田陽子さん

おすすめポイント・エピソードなど

「我々は既に宇宙人である。今のところ、この広い宇宙の中で唯一の知的生命体である我々宇宙人が、宇宙全体のデザインをしていかなければならない。それでは、我々はどのように思考していくべきであろうか。そもそも我々は日々、「正しく」思考しているであろうか。」(立花隆)
宇宙を題材にしつつ、「正しく思考する」ということの本質と向き合う小学生たちへの授業をベースに「正しく思考する技術」についてまとめたものです。当時、JAXAにて初代の人文・社会科学コーディネータをしていた岩田陽子(共著者:現在は東京農工大学)が、立花隆の思考について触れ、分析し、整理しました。

岩田さんからのメッセージ

岩田陽子

本書籍によって、宇宙について学ぶだけでなく、宇宙を題材に「思考する」ことを学ぶ良い機会になると思います。ぜひ、手に取って読んでみてください。

女子中学生の小さな大発見考えるカラス

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 広報担当 星川右子さん

女子中学生の小さな大発見

(新潮社 2002年)

おすすめポイント・エピソードなど

「理科」ってむずかしく考えていませんか?あれ?と思ったらチャンスです。たしかめてみよう!とやってみたらもう研 究です。「Nさんはカタツムリのカラを取ったらナメクジになるか調べようとしましたが、どうしても取れませんでした。」思わず笑っちゃう『実験・発見』がもりだくさんです。

NHK 考えるカラス―「もしかして?」からはじまる楽しい科学の考え方

(NHK 出版 2014年)

おすすめポイント・エピソードなど

面白くなってきたら、次はNHKの「考えるカラス」がおすすめです。番組は NHK のサイトで見られます。同じタイトルの本は、先に番組を見てから読んでくださいね。世界は面白いことでいっぱいです。

宇宙エレベーターの本―実現したら未来はこうなる

宇宙エレベーターの本―実現したら未来はこうなる

(アスペクト 2002年)

おすすめする人は

首都大学東京 教授 小島広久さん

おすすめポイント・エピソードなど

宇宙エレベーターは空想とも言える概念ですが、色んな人がそれぞれの道で研究をしています。
遠い将来、もし宇宙エレベーターが実現したら、我々人類の宇宙への移動手段は全くの別の段階に入ることでしょう。そんな世界を想像させてくれる一冊です。

小島さんからのメッセージ

色んな本を読んで、視野を広げてください。

宇宙航空医学入門

宇宙航空医学入門

(鳳文書林出版販売 2015年)

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構)技術領域主幹 大島博さん

おすすめポイント・エピソードなど

パイロットの医学認定に関わる航空医学と、宇宙飛行士の健康管理に必要な宇宙医学に関するテキストです。

大島さんからのメッセージ

JAXA・JAL・航空自衛隊での宇宙医学や航空医学に興味のある方は、一度手に取って内容をご覧下さい。

宇宙へ「出張」してきます―古川聡のISS勤務167日

宇宙へ「出張」してきます

(毎日新聞社 2012年)

おすすめする人は

大阪府立公衆衛生研究所 衛生化学部 総括研究員 山口進康さん

おすすめポイント・エピソードなど

古川聡宇宙飛行士の国際宇宙ステーションでの長期滞在体験がわかりやすく、また詳しく書かれています。宇宙での生活がどのようなものかを実感できる書籍です。

山口さんからのメッセージ

宇宙は遠いように思えますが、どんどん身近になってきています。身の回りにも宇宙に関連する技術がたくさん利用されており、意外なものが宇宙とつながっていますので、ぜひ調べてみてください。

宇宙から見た雨―熱帯降雨観測衛星TRMM物語

宇宙から見た雨―熱帯降雨観測衛星TRMM物語

(毎日新聞社 2015年)

おすすめする人は

リモート・センシング技術センター ソリューション事業部 特任参事 春山幸男さん

おすすめポイント・エピソードなど

JAXAとNASAが協力して開発と打ち上げ、及び運用を行った地球観測衛星の物語。
関係者のインタビューを基に、技術的な内容だけでなく関係者の努力や苦労話を盛り込んで、読み手が興味を深めるように工夫されています。

春山さんからのメッセージ

私はTRMMについて仕事をした者の一人として、インタビュー等に協力しました。

基礎からわかるリモートセンシング

基礎からわかるリモートセンシング

(理工図書 2011年)

おすすめする人は

リモート・センシング技術センター ソリューション事業部 特任参事 春山幸男さん

おすすめポイント・エピソードなど

大学の講義に使える初学者向けの教科書として、日本リモートセンシング学会が企画・出版したもので、読者として理系の専門課程の大学生・大学院生を想定しました。
発展的に紹介しました解説のコラム欄もキーポイントとなっています。

春山さんからのメッセージ

私もJAXAに在籍中、ランドサット衛星の観測画像データ初受信・処理・解析に始まり、国産衛星開発プロジェクトの立ち上げ、地球観測データの処理・解析から利用開拓へと関わること40年、日本の衛星リモートセンシングの発展に関与しました。本著等から多くの方々が関心をもつことを期待しています。

宇宙(そら)のとびら

宇宙(そら)のとびら

(JAXA宇宙教育センター)

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 宇宙教育センターさん

おすすめポイント・エピソードなど

全国の宇宙教育活動の様子や最新の宇宙関連の情報が、子どもにもわかりやすく、1冊にぎゅっと凝縮して掲載されていて、大変読み応えのある一冊です。
また宇宙に関わる仕事をしている人へのインタビューやお話がとてもためになっておもしろいです。

JAXA宇宙教育センターさんからのメッセージ

この冊子は6、9、12、3月のそれぞれ末日に発行されています。興味がある方は、ぜひ取り寄せてみてください。(要配送料)インターネットでも読むことができます。 図書室に置いてある学校(松山市内)もあるので、図書の先生に聞いてみてください。

惑星探査入門

惑星探査入門

(朝日新聞出版 2014年)

おすすめする人は

会津大学 准教授 寺薗淳也さん

おすすめポイント・エピソードなど

「はやぶさ」帰還以来、月・惑星探査に関する関心は日本国中で盛り上がっている。しかし、実際のところ月・惑星探査がどのようにして作られているのか、あるいはそれぞれを構成する言葉や概念などをどのくらい知っているのか、という人は少ない。
この本では、「はやぶさ2」をきっかけとし、こういった月・惑星探査ができるまでやその歴史、海外の現状、さらには将来とその課題について、ていねいに解説している。おそらくは日本ではじめての「月・惑星探査の入門書」である。
対象は「高校生以上」としているが、高校生であれば問題なく読めるという意味であり、中学生でも大丈夫だと思う(実際私の講演には、本書をじっくり読んでいるという小学校5年生の男の子が来たことがある)。

寺薗さんからのメッセージ

寺薗淳也

もし月・惑星探査に興味を持ったら、本書をぜひ手に取ってみて下さい。探査は1日にしてならず。その奥には長年にわたる研究者たちの計画や会議があり、試験があり、打ち上げてからも運用というのが続くのです。
将来世界の、あるいは日本の月・惑星探査はどうなっていくのか。本書では特に日本の月・惑星探査についてやや悲観的なことを書いていますが、その結論を変えていくのは若い皆さんであると信じています。
そして、1年後、2年後に読み返してみて下さい。事実は変わってしまっているかも知れませんが、それは私のサイト「月探査情報ステーション」が適切にフォローしていきます。
本で書かれていることと現実とを見比べながら、月・惑星探査をどのようにすれば応援できるのか、あるいはどのようにすればその世界には入れるのか、皆さんでぜひ、考えてみて下さい。
この世界へ入るきっかけとして、本書は大いに役立つでしょう。

宇宙システムの安全・ミッション保証

宇宙システムの安全・ミッション保証

(日科技連出版 2016年8月出版予定)

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構)研究領域上席(宇宙用電子部品の研究開発) 鈴木浩一さん

おすすめポイント・エピソードなど

宇宙システムの開発の進め方を紹介した上で、安全、信頼性、品質の具体的な活動を解説することで、複雑で単発開発であることが特徴であるシステムの安全、信頼性、品質の活動がどういうものかを示す。
また、航空機の活動を宇宙システムと対比して解説することで、技術者或いは大学の若手技術者が、宇宙あるいは航空システムでの活用はもちろん、その他の産業にも応用できるようにする。

鈴木さんからのメッセージ

宇宙システム開発で重視する信頼性・安全性などをまとめた本であり、宇宙技術者が基礎的な知識として身に着けることがのぞましい内容である。

月のかぐや月の科学

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構)名誉教授 元「かぐや」計画 サイエンスマネージャ 加藤 學さん

月のかぐや

(新潮社 2009年)

おすすめポイント・エピソードなど

月周回衛星「かぐや」のハイビジョンカメラ・地形カメラがとらえた月・地球の画像が解説とともに収められている。目を見張る月の美を楽しむことができる。

月の科学―「かぐや」が拓く月探査

(ベレ出版 2008年)

おすすめポイント・エピソードなど

サイエンスライターである筆者が長年の追跡取材を基にして月周回衛星「かぐや」の意義、開発、科学成果を月探査の歴史とともに簡潔に記述している。月の科学探査の知識を得るのに最適な本である。

新幹線をつくった男 島秀雄物語

新幹線をつくった男

(小学館 2000年)

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構)技術領域主幹(人工衛星用地上システムの開発・維持管理) 山内 望さん

おすすめポイント・エピソードなど

島秀雄さんは、国鉄の技師長であり新幹線開発のプロジェクトマネージャーだった。島さんをプロジェクトマネージャーに起用したのは、国鉄総裁・十河信二である。十河さんは、県人である。二人ともに「新幹線の父」と言われている。島さんは、日本におけるシステム工学の父でもある。
島さんは、その後JAXAの前身であるNASDA(宇宙開発事業団)の初代理事長を勤めた。米国からの技術導入を行い、段階的に国産化を進めるという日本のロケット開発の道筋をつけた。私がNASDAに入社した頃、島さんは80歳を過ぎておられたが、ご健在で 、当時NASDA本社があった浜松町の貿易センタービルでよくお見かけした。(当時NASDA顧問)背の高いすらっとした方で、物静かな優しい眼差しだったと記憶している。

山内さんからのメッセージ

JAXAには、松山出身者が数えるほどしかいない。是非学生の方は進路の一つとして考えて頂ければ幸いです。専門分野は問いません。ただし、滅私奉公ではなく、自分と仕事を両立させる覚悟が必要です。

天文台日記<中公文庫BIBLIO>

天文台日記

(中央公論新社 2004年)

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構)広報部長 庄司義和さん

おすすめポイント・エピソードなど

40年ほど前に書かれた古い本ですが、2004年に文庫化されています。今は日本にも口径1メートル超えの大きな天体望遠鏡が多数存在しますが、本書が書かれた当時は、東京大学岡山天体物理観測所が唯一無二の大きな天文台でした。本書はそこに長年勤めた天文学者が天文学者の日常生活を描いたもの。天文学者って素敵だなあって、ワクワクしながら一気に読みました。当時天文少年だった私は、この本を読んで、天文学に一生を捧げたいと密かに思ったのでした。

庄司さんからのメッセージ

結局天文学者にはなりませんでしたが、宇宙を仕事場にしています。この本は、理科好きの人はもちろんのこと、理科が苦手だなと思う人にとっても楽しく読んでいただける本です。
大人から子供まで幅広い層にお勧めします。

科学革命

科学革命

(丸善出版 2014年)

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙教育推進室 室長 桜庭望さん

おすすめポイント・エピソードなど

「コスモス」は、秩序を与えられた世界全体のことを指していました。古代から人間は、自分が住んでいる世界と天空の世界を大きな秩序の中で考えていたようです。科学の発達によって、自然と人間のつながりが切り離されてきたような気がします。科学の発達の歴史を追っていくと、私たちの世界と宇宙のつながりを改めて発見できます。

桜庭さんからのメッセージ

宇宙をテーマにした本はたくさんありますが、タイトルに「宇宙」と書かれていない本の中にも、きらっと光る考え方を見つけることができます。著者はローレンス・M・プリンチペ教授。改めて、いろいろなことを考えるには、よい書だと思います。

宇宙から学ぶ―ユニバソロジのすすめ

宇宙から学ぶ―ユニバソロジのすすめ

(岩波書店 2011年)

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙教育推進室 室長 桜庭望さん

おすすめポイント・エピソードなど

宇宙での実体験は、貴重なものです。限られた人だけが持つ経験をわかりやすく、毛利さんは私たちに伝えています。ユニバソロジという宇宙を意識した発想は、「生きる」ということが根底にあります。経験の中から考えがまとめられており、説得力があります。

桜庭さんからのメッセージ

やはり、宇宙を経験した人の言葉は格別のものです。特にパイオニアとしての毛利さんの言葉の影響力は大きいと思います。毛利さんの言葉の中に、たくさんの共感する点を見いだすことができれば、生きるという意味も、また新たな視点で考えられるのではないでしょうか。

宇宙は何でできているのか―素粒子物理学で解く宇宙の謎

宇宙は何でできているのか

(幻冬舎 2010年)

おすすめする人は

JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙教育推進室 室長 桜庭望さん

おすすめポイント・エピソードなど

ミクロの世界とマクロの世界の共通点が、とてもかわりやすく解説されています。様々な発見の裏話も、楽しいものです。素粒子物理学と宇宙の関係が身近な例で示されており、言葉の力により、難しいことも納得できます。

桜庭さんからのメッセージ

小さいところから、大きいところまで、現代科学によってどこまで解明されているかを知るには、コンパクトでわかりやすい本といえます。難しいことを、わかりやすく説明するという著者の力に脱帽します。

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